[特別寄稿2006年9月] 組み方について – 博右衛門

組み方について

踊りの良し悪しは組み方で過半が決まるのだそうだ。「はじめに組んだ瞬間、勝負はつく」とも言う。そこで色々な組み方について整理してみよう。

Ⅰ.横から見たタイプ分け
まず二人を横から見ると大きくH型、A型、I型に分けられる。一般にタンゴを始めた当初はH型しかできないものだが、サロンではA型やⅠ型が普通である。

H型
レッスンの時などの距離をおいて組む型。
習いはじめの頃はミロンガでもこの型しかできなかったのだが、ある日、大先輩の方々より「離れて踊っててどこが面白いのよ」と責められてしまった。
当時は「くっついたら足がだせないじゃん」と反論したものだった。

A型
頭部または上体を接点とする組み方。H型より足を出しにくくなるが、二人の関係が安定し、より一体化する。慣れないと足が出しにくいほか、は一歩一歩がガタガタして頭突きになっちゃうのも課題。
これには、①足腰の関節を緩めて軟らかく使う、②頭の高さを変えない、③お相手と一緒に動くよう意識する、などといった努力により、下半身は忙しくしながらも、上体は安定させることで克服する。

Ⅰ型
セントロスタイルで有名なDaniel Lapadura氏のレッスンで「上から下までくっつけたまま離すな」と指導されたのがこの型。二人がまっすぐ立ち、足は近いところにあるためより出しにくくなるが、お相手のギリギリの所へ踏み出してゆく。この一体感がイイ。それだけにいつも同じ場所に足があるなど、二人の位置と動きが安定してないとお相手を踏んだり蹴ったりしてしまう。

この型は、「女性が道でひかれたカエル」みたいにへばりついたようになりかねない。また足が邪魔だからと腰をひいたりすると、二人の一体感がなくなってしまうし、ヘッピリ腰の情けない姿になってしまうので注意が必要。

なおⅠ型に限らないが、踵体重と爪先体重があり、二人の間の力の作用や位置関係が微妙に異なってくる。これらを考慮して自分の組み方を完成させるとなるとオオゴトだが、まずはリラックスできるかどうかを基準に楽しく踊ることを心がければよかろう。

Ⅱ.上から見たタイプ分け
お二人を上から見ると雁行型、二型、V型にタイプ分けできる。

雁行型
二人が平行を保ちながら少しずれる。「足の幅半分だけズレなさい」と教える教室もあるが、実際に踊っている人は体の半分ってことも多い。
なお踊っているうちにいつの間にかV型などほかの型になってしまうことがよくあるが、望ましくない。必要のない限り当初の組み方を維持するよう二人が努力することが肝要。
またほんのわずか角度がつくなど、軽いⅤ型となることも多いが、本人達がなるべく平行となるよう意識しているのならばこの型に分類したい。

二型
かつて中央沿線で教室を持っていたフリオ&ミキのミキ先生より、「より一体になるため」と教えていただいたのが、この二人が正面で向き合う型。
足の幅半分だけズレた雁行型はこちらに近いかも。

顔は近くなるので横を向け、姿勢をよくする。男性が覆いかぶさらなくとも一体になれるのが自慢。
足はより出しにくくなるが、上手く踊れれば上体だけでなく、足まで一体になれる。

V型
雁行型や二型が面の一体化なのに対し線の一体化がこの型。正面が半分空いているので楽な気もする。女性の顔の向きは外側のほか内側に向くのもアリ。

その内側向き(二人が同じ向きになる)は男性からも女性からも人気があるようだが、Ⅴの角度が大きくなりがちだ。するとオーチョの方向が不安定になるなど踊りにくいクセがつく場合もある。
あんまりクセがひどくなった女性が皆からの苦情ならぬアドバイスで外側に直した例もあるので、ご注意を。特に始めのうちは避けた方がよいかも。

下手なうちは踊っているうちにいつの間にか組み方が変わってしまいがちだ。サロンの競技会では一曲を通して意図せぬ組み方の変更を行わないことが目標のひとつになる。一方、上手な方はステージワザをやる時など必要に応じてドンドン変えながら踊っている。そして用事が済めばキッチリと元に戻れるところが上手い。よくよく試みられたい。 
以上

博右衛門

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